職場で使う道具を、まず単一の HTML ファイルで作っています。勤怠、日々の記録、各種の報告書。どれもファイルを1つ開くだけで動きます。サーバーも、インストールも、月額料金もありません。
「なぜクラウドにしないのか」とよく聞かれるので、理由を書いておきます。
1. IT 担当者がいない職場では、「壊れにくい」が機能より大事だから
小さな職場には、システムの面倒を見る専任の人がいません。ログインできない、パスワードを忘れた、更新したら画面が変わった。そのたびに現場の手が止まります。HTML ファイルは、開けば動きます。止まる要素がほとんどありません。
2. 渡し方を選ばないから
共有フォルダに置く、USB で渡す、メールに添付する。どれでも届きます。受け取った側はダブルクリックするだけです。「導入作業」という工程が、まるごと消えます。
3. データが外に出ないから
現場で扱うのは、お客さまの個人情報です。外部のサーバーに送らない設計にしておけば、そもそも漏れる経路がありません。説明も一言で済みます。「このパソコンの中だけで動いています」。
4. 月額0円だから、やめる理由が生まれないから
月額のサービスは、使用頻度が落ちた瞬間に「解約しましょうか」という話になります。費用がかからない道具は、忙しい月に使われなくても、翌月また開かれます。定着にはこの「途切れても戻れる」余白が効きます。
5. AI と相性が良いから
1ファイルに全部入っているので、Claude Code に「このファイルのここを直して」と頼むだけで改修が終わります。現場で「ここが使いにくい」と言われたことを、その日のうちに直せる。これが使われ続ける一番の理由だと思っています。

向いていない場面もあります
複数の人が同時に同じデータを書き換える業務、スマホと PC で常に同期したい業務、ログインや決済が要るサービスには向きません。その場合は、素直に SaaS として作ります。このサイトがその例で、会員ログイン、商品の販売と決済、記事の管理を、Next.js・Supabase・Stripe で組んでいます。
大事なのは「まず一番小さい形で動かして、足りなくなってから大きくする」順番です。最初から大きなシステムを作ると、使われないまま費用だけが残ります。
自社の業務で「これも小さく作れるのでは」と思うものがあれば、30分の相談で、最初に手をつける候補を1つに絞ります。
